T 制度・法律の動向
2.京都議定書の批准と排出権市場の進展
京都議定書とは
  1980年代、世界各地で異常気象や記録的な高温など気候変動問題がクローズアップされるようになり、国連の機関である国連環境計画(UNEP)と世界気象機構(WMO)の下に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が組織され、地球温暖化の予測や対策などに関する世界各国の科学的・技術的研究成果の収集・分析が開始された。
 こうした科学的な知見の充実を踏まえ、1992年にリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(UNCED)で、気候変動枠組条約が成立(発効は1994年)し、さらに1997年12月、京都で開催された第3回気候変動枠組条約締結国会議(COP3)で、先進各国の排出削減目標や排出権取引などの京都メカニズムについて包括的に規定した「京都議定書」が採択された。
京都議定書では、二酸化炭素(CO2)、メタン、亜酸化窒素、HFC、PFC、SF6の6つの温暖化ガスについて、2008〜2012年の目標年次に、基準年である1990年より先進国全体で少なくとも5%の削減目標が明記された。各国別の削減数値目標は、日本が6%、米国が7%、EUが8%等となっている。また議定書では、先進国同士による排出権取引および共同実施(JI)、先進国と途上国によるクリーン開発メカニズム(CDM)といった京都メカニズムの導入についても規定された。
 

 
 
   
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