はじめに


    2002年(平成14年)は、「日本のバイオマス元年」だったと言えるでしょう。1月の「新エネルギー利用促進特別措置法」の政令改正により、廃材や農業廃棄物、生ごみなどのバイオマス(生物資源)は、初めて新エネルギーとして法的に認められました。6月の京都議定書の批准などをきっかけに、非常に急速な動きが見られ、5月にRPS法が成立し、12月にはバイオマス・ニッポン総合戦略が決定されました。自治体、企業、地域のNPOなども活発な活動を進めています。
 そうした中にあって、バイオマス産業社会ネットワークでは、「何のためのバイオマス利用か」という問いかけを常にしていきたいと考えています。循環型社会構築の重要な要素として、我々の子どもたち、孫たち、さらにその先の子どもたちが、自然環境や生活環境を破壊せずに、くらしに必要なエネルギーや材料を得るためのものではないかと考えます。
 この「バイオマス白書2003」が、社会的・生態的に適正なバイオマス利用促進の一助となれば、誠に深甚に存じます。
  バイオマス産業社会ネットワーク共同代表  泊 みゆき

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