ホタテの貝殻からつくられた壁材


養殖が盛んなホタテの貝殻は、年間数十万トンが野積みされていて、産業廃棄物として社会問題になっていました。横浜にあるチャフローズ・コーポレーション社は、ホタテの貝殻を使った壁材に成功しています。このホタテの貝殻でつくられた壁材は、シックハウス症候群に効果のあることから、大きな関心を呼んでいます。
シックハウス症候群は、建材から発生する化学物質が原因で発生し、現在日本で約500万人が苦しんでいると推定されています。
 また、このチャフローズ・コーポレーション社では、葦などの雑草を原料としたスポンジなども製品化し、販売しています。米ぬかでつくった苗木ポット ホームセンターなどで売られている苗木は、大抵、黒いポリエチレン製のポットに入れられています。このポットは、苗木を植える際、集めてきちんとした処理をする必要があります。ダイオキシン規制が厳しくなって、こうしたポットを野外で燃やすことができなくなり、頭を悩ませる関係者の方も増えています。
 この苗木ポットを、米ぬかやサトウキビのしぼりかすでつくっている会社があります。雑草の葦、わら、竹、米ぬか、作物(トウモロコシ、コウリャンなど)の茎などを細かくくだき、植物接着剤と水を混ぜて成型、乾燥させて、苗木ポットのほかに、小皿、カップ、トレイ、弁当皿、弁当箱、花鉢、プランター受皿などをつくることができます。
 この苗木ポットは、苗木を入れたまま土に植えると、ポットそのものが分解して、約三十日で有機肥料となります。米ぬか製の苗木ポットは、ポリエチレン製のポットよりも価格が高いですが、処理の手間やコストの問題から、関心をもつ人が増えているそうです。
 この他にも、バイオマス資源の製品化の例としては、フスマ(小麦のくず)を原料とする梱包材や、くるみの殻などを研磨剤やスタッドレスタイヤに利用している例などがあります。