スウェーデンでは、2004年に5.2万tのバイオエタノールを生産、消費量は20.6万t(26万キロリットル)に上る。レギュラーガソリンのほぼ100%がE5(エタノール5%混合ガソリン)となり、E85対応の車も1万5000台以上導入されている。E5が1リットルあたり160円程度であるのに対し、E85は免税範囲が広いため、120円程度。現在のところバイオエタノールの8割はブラジル産やイタリア産廃ワインなどの輸入品だが、政府は、低価格の輸入品と国産品を併用し、輸入関税で得た「差益」をエタノール事業に向け、国産化を図っている。

 行政、企業、市民の連合事業体「スウェディッシュ・フレキシ・フューエル・バイヤーズ・コンソーシアム」は、エタノールとガソリンの様々な比率の燃料で走行できるFFV(フレキシブル・フューエル・ヴィークル)車の予約を3000台分集め、自動車会社にエタノール対応車のスウェーデンでの販売を働きかけた。それに応じたフォードは、現在の販売台数の4割をFFV車が占めるに至っている。
FFVは、日本においても、エタノール普及時の利用者の利便性を考えると、有力な選択肢となろう。

 フォードのE85車、フォーカスFFV