T 制度・法律の動向
メタンガスの利用の問題点と課題
 こうして注目されるメタンガス利用だが、現時点では数々の問題が生じている。一つには、メタンガス化施設建設費が高く、補助金による支援がないと事業が成立しにくいこと、第二に、現時点では、発電による収入はほとんど見こめないことである。
 例えば、京都府の八木町では、全国に先駆けて家畜糞尿リサイクルに取り組んでいるが、町が建設した八木バイオエコロジーセンターの収入のうち、売電によるものは、わずか1%にすぎない。他のメタンガス化施設でも同様のことが生じているが、これは、バイオガス化施設では処理過程での電力・燃料消費が大きいため、外部に販売できる電力量がそれほど大きくないことと、売電価格が現時点では2〜5円/kWhと非常に低いことなどが原因となっている。
 
 
八木バイオエコロジーセンター
   
         
 このため、メタンガス化施設の事業化においては、逆有償(引取料を受け取ることができる)の食品廃棄物の受け入れにより、収入を確保することの重要性が指摘されている。
 この他、メタン発酵後に発生する脱離液の液肥利用が日本では困難であることなども難点となっている。
 バイオガス化施設の事業化の成功・普及のためには、自治体が、地域の分散型エネルギー施設として位置付け、住民の理解を図るなどの協力が非常に重要であると言えよう。
 

 
 
   
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