民間・その他の動き


<山口県>
 山口県は2002年、森林バイオマスエネルギー活用に向けた基本指針となる「やまぐちバイオマスエネルギー・プラン」を策定した。火力発電所では間伐材や竹材を混燃、中規模ガス化発電では、中山間地域の施設に電力と熱を直接供給。さらに木質ペレットをボイラーで燃やすといった、規模別の活用策の推進などを図ったものである。
 また、中外炉工業、山口市の製材・木材加工の企業組合ホーメックなど4社が、ガス化発電システムの事業化プロジェクトの実証試験を2003年夏にも本格スタートする。山口県がチップ化した間伐材や竹材を供給し、蒸し焼き状にしてガスを取り出し、純度を高めてガスエンジン発電機を燃やす。熱と電気を同時供給するコジェネレーション活用法として実用化をめざし、コジェネ型のため、エネルギー効率が51%にまで高まるものと期待されている。
 
<その他>
 その他の2002年の主な各地の取組みとしては、以下のようなものがある。
青森県では、02年、県知事の諮問委員会「グローバル産業フロンティアゾーン構想検討委員会」が「環境・エネルギー産業創造特区構想」の骨子をまとめ、政府に提出した。特区設置によって環境・エネルギー分野や資源リサイクル関連の規制緩和、実証実験を先行的に実施し、バイオマス利用など関連の技術開発などに取り組む。
北海道は、学識経験者や林業、自治体関係者などの委員で構成する「北海道木質バイオマス資源活用推進協議会」を9月に設置。ボイラーなどの燃料として、間伐材を加工したチップや粒状のペレットを低コストで安定的に供給する方策を検討する。
 山形県新庄市では、早稲田大理工学総合研究センター(東京都)の外部機関「早大新庄バイオマスセンター」が9月にオープンした。同センターでは、スイートソルガム(サトウキビの一種)を原料としたエタノール燃料の実用化などに取り組む。
 長野県の上伊那森林組合は、松くい虫被害木などのペレット燃料化について、発熱量換算で灯油並み価格で販売できるとする報告書を秋にまとめ、事業化に意欲を燃やしている。大阪府高槻市の高槻森林観光センター樫田温泉では、3月に従来の灯油燃料をやめ、川鉄商事とタカハシキカンが開発した木質ペレットによる温泉ボイラーを採用した。
 また、02年9月に香川県内の大学、企業、市民グループなどが連携し、「香川木質バイオマス研究会」を設立、山形・最上地方の森林資源をバイオマスエネルギーに活用するための「木質バイオマス研究会」が02年11月に発足するなど、各地で木質バイオマスなどの有効利用を図る研究会が相次いで活動を始めている。*
 
  *このほかにも、地域でのバイオマスへの取組みは多数行われている。
 詳細は、「バイオマス関連記事2003」等を参照のこと
     

 
 
   
4/9