T 制度・法律の動向
(2)食品リサイクル法家畜排せつ物法とメタンガス利用
バイオマス資源の主な利用方法の一つとして期待されているのが、食品廃棄物、家畜糞尿、下水汚泥などいわゆる含水量の高い有機廃棄物をメタン発酵させ、発生したメタンガスを発電などに利用する方法である。
 循環型社会構築へ向けて、ここ数年、数々のリサイクルに関する法律が成立・施行されているが、この中でも食品リサイクル法、家畜排せつ物法の施行が、メタンガス利用への機運を高めるきっかけとなった。
食品リサイクル法に対しては、堆肥化や、乾燥による減量などで対応する方法もあるが、堆肥はすでに過剰な状態であること、乾燥による減量はリサイクル法の趣旨からはずれているといった問題点が指摘されている。
 一方、メタンガスは、天然ガスの主成分であり、神戸市で実証実験が行われているように、燃料電池に使うことも可能であるほか、神奈川県横須賀市が取り組んでいるように、天然ガス車の燃料として利用することもできる。また、メタンガスは二酸化炭素の約20倍の温室効果がある温暖化ガスであり、メタンガスの有効利用により、排出権クレジットを得ることも可能となるかもしれない。こうした数々の利点から、近年、メタンガス利用についての関心が、関係者の間で高まりつつある。
 

 
 
   
12/17